|ヒストリー|vol.11 クラブ以上の存在との出会い
バルセロナとの出会いが教えてくれた、指導と育成の哲学

こんにちは、須賀亮祐です!
前回のvol.10では、プロサッカー選手としての道を終え、新たなステージを目指す決断と、サッカーから少し離れて気づけた“育成の本質”についてお話ししました。
今回はその続き。
30歳で起業してから、最初の仕事となった「バルセロナサッカーアカデミーとの出会い」について綴ってみたいと思います。
起業と最初の仕事:スペインからの挑戦
僕が最初に手がけた仕事は、スペイン・バルセロナに拠点を持つ 「バルセロナサッカーアカデミー」 とのイベント企画でした。
このアカデミーは、FCバルセロナで実際に育成に関わっていた、まさに“世界トップクラス”のコーチ陣が在籍している組織で、その哲学とメソッドを世界中の子どもたちへ届ける活動をしていました。
「この本物の育成哲学を、日本の子どもたちにも体験してもらいたい」
その想いを胸に、彼らを日本に招いて、FCバルセロナの指導を地域へ還元する“サマーキャンプ”を開催することにしました。

市長へのプレゼンと、たくさんの支援
当時、まだ立ち上げたばかりの僕にとって、これは本当に大きなチャレンジでした。
開催地の市長さんへ直接プレゼンし、地域や企業の方々へ何度も想いを伝え、少しずつ理解と共感の輪が広がっていきました。
決して一人では成し得なかったイベント。
本当に多くの方々に支えていただきながら、最初の夢が、少しずつ形になっていきました。
スペイン人コーチとの旅路
このサマーキャンプは、2年間で全国各地を巡るプロジェクトへと広がっていきました。
北は秋田県、南は広島県まで。
スペイン人コーチや優秀な通訳チームとともに、各地の子どもたちと出会い、熱い夏を過ごしました。
キャンプ中は、世界最高峰のコーチングを間近で学び、指導者研修会ではその哲学を主催者として深く理解する機会にもなりました。
夜はホテルのロビーや食事の場で、スペイン、FCバルセロナ、そして世界の育成について語り合い、実際のその現場にいるコーチたちからTVやネットでは聞けない話が聞ける夢のような日々でした。
バルサ式サッカーが育む“賢さ”とは?
キャンプでのやりとりの中で、僕はある問いに突き当たっていました。
「なぜ、スペインやバルセロナは、賢い選手を次々と育てられるのか?」

それを深く探っていくと、共通して語られるキーワードが見えてきたのです。
それは――
- “カオス”を前提とした育成
- 選手が“最善の選択”をする力を育む
- 教えるのではなく、理解させる
サッカーは、1秒で状況が変わるスポーツ。
全てを指導者が教えるのはどんなトップクラスの指導者でも不可能。
無数の選択肢と、判断が入り乱れる“カオス”の中で、自分で考え、判断し、仲間と協力して、最も良い選択をする。
そのために必要なのは、「型」や「答え」ではなく、自分で考えるチカラ。つまり「原理原則」という“土台”をどう理解してもらうか。
それこそが指導者の仕事であり、そのプロセスこそが、子供たちの“生きる力”を育むんだと実感しました。
選手を育てるのではなく、人を育てる。それが地域の喜びにつながる。
イベントとしては大成功とまではいかなかったですが、それ以上にバルセロナの哲学に触れ、自分の中で何かがつながるような、そんな特別な機会をもらったような気がしました。
sardanaという名前に込めた想い(次回へ)
そんな濃密な日々の中で、ひとつのキーワードがずっと僕の心に残っていました。
「クラブ以上の存在」そして「sardana」
FCバルセロナのある街・バルセロナ。
そこは、スペイン・カタルーニャ地方にある、独自の文化と言葉を大切にする地域。
そのカタルーニャの人たちが、仲間と手を取り合い、輪になって踊る伝統舞踊があります。
それが、「sardana(サルダーナ)」という名のダンスです。

この言葉に込められた意味や、僕自身が理想とする“クラブのかたち”との共通点については、次回のvol.12で、じっくりお話ししたいと思います。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
僕自身とても周りの人たちに恵まれていて、たくさん支えてもらい、今があると思っています。
全ては書ききれないですが、このブログが、子どもたちの変化を一緒に見守るヒントになってくれたら嬉しいです。
子どもたちや皆さんも、日々さまざまな経験をされていると思いますので、よかったら「いいね」ボタンをお願いします!
それでは次回もお楽しみに!
