|ヒストリー|vol.8 「育成と環境」
クロアチアから見えた、新たな視点

こんにちは、須賀亮祐です!
前回のvol.7では、、オランダからクロアチアへの挑戦のきっかけについて綴りました。
今回はいよいよ、クロアチアの1部リーグのテストを受けた時のこと、そしてそこで感じた“環境と育成”についてお話ししたいと思います。
「本当にここが1部?」から始まったテスト
クロアチアでは、現地の英雄のような方の紹介で、1部リーグのクラブのテストを受けることになりました。
期待と緊張を胸にクラブを訪れた僕でしたが、最初に感じたのは驚きでした。
「……ここが本当に1部リーグのクラブなのか?」
そう思ってしまうほど、グラウンドもクラブハウスも、正直オランダとは比べものにならないくらい整っていなかったんです。
芝は伸び放題。地面はボコボコ。クラブハウスも老朽化が進み、いろんなものが壊れかけている。
戦争が終わった直後という背景を考えれば当然だったのかもしれませんが、日本にいた僕は「ヨーロッパ=どの国もサッカー環境は整っている」と思い込んでいたんだと気づきました。

それでも“強豪国”である理由
環境は整っていない。それなのに、クロアチアはヨーロッパ屈指のサッカー強国。ワールドカップでも常に上位に食い込む国です。
「なぜこんな環境から、あんな選手たちが育つのか?」
その答えは、目の前のグラウンドにありました。
長く伸びた芝、整っていない地面。パスをつなぐのは難しく、ボールはイレギュラーに跳ねる。
そんな環境だからこそ、選手たちは 「自分で打開する力」 を自然と身につけていくんです。
実際に、テストで一緒にプレーした選手たちはみな、屈強でテクニカル。まるで当たり前のように、1人で局面を打開してしまう選手ばかり。
その姿に、思わず唸りました。
環境が育てる“個”の武器
オランダは、フラットで綺麗なグラウンド。
だからこそ、パスサッカーや原理原則が生きてくる。
一方、クロアチアは、整っていないグラウンド。
でもそこでは、ドリブルやフィジカル、判断力といった“個の力”が磨かれる。
この違いを肌で感じたとき、僕の中で「育成」というものに対する考えが大きく変わりました。
「オリジナリティのある武器は、トレーニングメニューから生まれるのではなく、環境が生み出すのではないか?」
「何かが足りないからこそ、人は考え、工夫し、それが強みになるのではないか?」
そんな問いが自分の中に芽生えた瞬間でした。
育成クラブのヒントは“環境”にある
日本、オランダ、クロアチア。
3つの国でプレーしたことで、僕の中で少しずつ「育成クラブの形」が見えてきました。
特に日本は、北から南まで気候も文化も違えば、使えるグラウンドも大きく異なります。
だからこそ、その地域の環境に合った育成スタイルがあるべきなんじゃないか。そんなふうに感じるようになったんです。
そして同時に、もっと多様な環境を見てみたい。世界のいろんなサッカーに触れてみたい。そんな想いが、さらに強くなっていきました。

次回は、クロアチアの“ある街”で経験した、さらなる出会いと学びについて綴っていきます。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
僕自身とても周りの人たちに恵まれていて、たくさん支えてもらい、今があると思っています。
全ては書ききれないですが、このブログが、子どもたちの変化を一緒に見守るヒントになってくれたら嬉しいです。
子どもたちや皆さんも、日々さまざまな経験をされていると思いますので、よかったら、「いいね」ボタンをお願いします!
それでは次回もお楽しみに。
