SARDANA SOCCER ACADEMY

3才〜|東京都江戸川区サルダーナサッカーアカデミー

|ヒストリー|vol.3『サッカーがくれた“出会い”と“育成の本質”』

|ヒストリー|vol.3『サッカーがくれた“出会い”と“育成の本質”』

オランダでの契約、その裏にあった出会いと学び

こんにちは、須賀亮祐です!

前回のvol.2では、高校を卒業して「オランダに行こう」と決めた話をお届けしました。

今回はその続き。
実際に現地へ渡ってからの出来事。テスト、契約、そして出会った人たちとのエピソードを通じて、僕自身が体感した“育成の本質”についてお話しします。

最初のプロテスト

最初に挑戦したのは、オランダ1部リーグのクラブでした。

ワールドカップでも活躍したような有名選手たちが所属していて、「ここでサッカーできたら、絶対に成長できる」とワクワクしていました。

でも、実際にサテライトチームのトレーニングに参加してみると、何ひとつ通用しなかったんです。

技術、スピード、判断、すべてが圧倒的で、まったく違うスポーツをしているような感覚で、「これが世界か…」と呆然。

今までの自分のやり方ではまったく太刀打ちできないことが、すぐに分かりました。

挫折から再チャレンジ

結局、何も掴めないまま、日本に戻ることに。気持ち的には、かなり落ちていて「この先どうしよう」と、正直悩んでいました。

そんなとき、たまたま草サッカーの試合に呼ばれたんです。対戦相手の中に、ちょっと変わったおじさんがいました(笑)

すごく楽しそうにプレーしていて、シャツを引っ張ってきたり、足を引っかけてきたり(笑)ちょっとズルもするけど、なんだか相手も笑ってしまうような、不思議な魅力のあるおじさんでした。

試合後、そのおじさんが僕のところに来て、

「君、うまいね!シャツ引っ張ってごめんね! 今日は楽しかったよ!」と声をかけてくれて。

その瞬間、「ああ、もっと気楽に、挫折も楽しめばいいんだな!」と思えたんです。

プロテストで“通用しなかった”ことに目を向けるよりも、“その現実を知れたこと”自体が、大きな価値だったと気づきました。

オランダへ再挑戦

そこから、もう一度オランダにチャレンジすることに決めました!

次に行ったのは、オランダ10部リーグの小さなクラブ。ここでは、ありがたいことに契約の話もいただけました。

でも、「もっと上でやりたい」という気持ちがあり、そのオファーはお断りしました。

ただ、日本の草サッカーレベルのチームでもお金がもらえることに「お金をもらってサッカーをすることって思っていたよりハードルは低いのかもしれない」と衝撃を受けたことを今でも覚えてます。

同時に「何をもって”プロ選手”というんだろう。。」「技術なのか、フィジカルなのか、それとも別の事なのか。。」「お金をもらってサッカーをすることが“プロ選手”ではないのかもしれない。。」と小さいころから漠然と考えていたことの答えもここにあるのかもしれない。と思い始めました。

サッカーの魅力

それからは、公園で草サッカーの日々。

知らない街、知らないグラウンドで、トレーニングがてら、現地の人たちと混ざってボールを蹴っていました。

オランダではそこらじゅうに公園や広場があって、そこでは昼寝したり、ジョギングしたり、日光浴をする人たちであふれています。

当然のようにサッカーもやっていて、ボールを持っている人たちのところに、どんどん人が集まって、持ってきたバックをゴールにして、試合が始まります。

そこで出会った人と、一瞬で友達になったり、仕事が生まれたり。サッカーがコミュニテーの形成やコミュニケーションツールになっていました。

そして、なんとその草サッカーにはプロ選手も沢山混ざっていて、みんなサッカーを本当に楽しんでいる、僕にとっては夢のような場所でした。

そんなある日、草サッカーで一緒にプレーしていたオランダ人が声をかけてくれて、

「君、どこでプレーしてるの?」

「僕、エージェントもやってるんだけど、クラブ紹介しようか?」

さらに、「うちのクラブで一緒にやらない?」という話までいただきました。

このとき、「サッカーって言葉を超える共通言語なんだ」と実感。

サッカーを通して出会あったばかりの外国人でも、信頼が生まれ、新しいチャンスにつながる。そんな世界が本当にあるんだなーと体感しました。

仲間との出会い

そんな時期に、オランダでプレーしていた日本人選手のアレンとも友達になり、クラブ探しや通訳も手伝ってもらえることに!

彼と一緒に向かったのが、オランダ3部リーグのクラブ。
代表やトップレベルの選手を何人も育ててきた、育成に定評のあるクラブでした。

練習時間に合わせて、アポなしでクラブに飛び込み。ちょうど出てきた監督に「プレーさせてください!」と直談判。

最初は驚かれましたが、「じゃあ来週おいで」と受け入れていただき、練習と試合に参加することに。

試合後、その場で「うちでやらないか?」と契約が決まりました。本当に感謝しかありません。

サッカーがくれたもの

今思えば、僕が持っていたのは、「自由に、考えるサッカーがしたい」という想いと、それを叶えるために「とにかく動いてみよう」という行動力だけ。

でも、たくさんの人に助けられ、運にも恵まれて、契約をつかむことができました。

オランダの「誰にでもチャンスを与える文化」にも驚きましたが、それ以上に、サッカーは言葉が通じなくても人と繋がれる力がある。

そして、サッカーを楽しんでる人は世界中に仲間を作ることができる。サッカーは、そんなすごい力を持ったスポーツだと、今でも心から思っています。

僕がsardanaでも「サッカーを楽しむこと」を大切にしているのは、このときの経験が、自分の中にずっと残っているからです。

次回は、オランダでの生活、そしてクロアチアへと続く物語。

「育成」という言葉の本当の意味、そして「自分はどんな指導者になりたいのか」を考える原点について、お話しします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。僕自身とても周りの人たちに恵まれていて、たくさん支えてもらい、今があると思っています。

全ては書ききれないですが、このブログが、子どもたちの変化を一緒に見守るヒントになってくれたら嬉しいです。

子どもたちや皆さんも、日々さまざまな経験をされていると思います。
よかったら、「いいね」ボタンをお願いします!

それではまた。